マーケティング 広告

なぜ広告で“認知”が最優先なのか?「知ってもらう」がスタートライン

広告で結果が出にくくなってきていると感じる方も多いのではないでしょうか。
なぜ、これまでのように広告が機能しなくなっているのか──今回はその背景を解説していきます。

広告には、実にさまざまな種類があります。
SNS広告、リスティング広告、動画広告、屋外広告など、多種多様です。
この「多様さ」は、裏を返せば、それぞれに明確な“役割”があることを示しています。

つまり、すべての広告が「すぐ売上につながる」わけではなく、
「まず知ってもらう」「思い出してもらう」「信頼してもらう」といった、段階ごとの目的があるということです。

なぜ広告で“認知”が最優先なのか?

まず、スキの反対ってなんでしょうか?

そう、「嫌い」ではなく「無関心」です。
これ、皆さんも一度は聞いたことがあると思います。

知られていなければ、勝負の土台にも立てない。
どんなに魅力的な商品やサービスでも
存在そのものが知られていない」なら、
選ばれることなんてあり得ません。

たとえば──

あの人が好きだ、付き合いたいと思ったときに、会ってすぐ「付き合ってください!」って言いますか?
まずは、知ってもらう。友達になる、知り合いになる。そこから関係を深めていきますよね?

そして、何度も会って仲を深めて、信頼が生まれて、ようやく「付き合う」に至る。


この流れ、実は広告にも当てはめることができるんです。

知り合い・友達になる=「認知」

仲を深める=「信頼や興味喚起」

付き合う=「購入」

ちょっと強引な例かもしれません笑

でも実際、多くの企業はどうでしょう。
まだ一度も会ったことがない人に、いきなり「付き合ってください!」と

アプローチしているようなものなんです。
当然、うまくいくわけがありません。

リスティング広告は「恋人探し」には向いていない

リスティング広告というのは、

リスティング広告

すでに興味を持っている人、もしくはある程度知っている人に向けた広告です

決して「認知」を広げるための広告ではありません。
※検索した時にしかヒットしないため

もちろん、リスティングは「すぐに結果が出やすい」広告手法。
だから多くの人が飛びつきますし、短期で結果を求められる現場では選ばれやすい。

「今月中にこの売上を作らなきゃいけない」と上司に言われたら、
確率の高い手段に頼るのは当然です。

ココに注意

ですが、目先の結果にとらわれすぎて「認知活動」を疎かにしてしまうと、
長期的にはますます広告が効かなくなっていく、という悪循環に陥ってしまうのです

なぜ「認知」がそんなに大切なのか?

とはいえ、うちは広告まわしてて売上もずっといいし、結果出てるよ
そんな声も聞こえてきそうです。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
それって本当に“”出している広告のおかげでしょうか?

もしかしたら、以前に出していた広告の認知効果が、今になって実を結んでいる可能性もあるはずです。

たとえば、急に冷蔵庫が壊れてしまったとします。
生活必需品なので、すぐに検索しますよね。

私なら、「TOSHIBA 冷蔵庫」と検索します。
なぜなら、“冷蔵庫=TOSHIBA”というイメージが頭の中にあるからです。

これって、リスティング広告のおかげでしょうか?

答えは NO ですよね。

この「TOSHIBA=冷蔵庫」というイメージは、
テレビCMだったり、店頭のPOPだったり、
長年にわたって積み上げられたブランド活動や評価によるものです。

つまり、過去の“認知活動”の結果が、今の「検索→購入」につながっているわけです。


今売れているのは、過去の「認知」の成果かもしれない

今の売上を生んでいるのは、
実は数年前にやっていたCMやディスプレイ広告などの効果が、
ようやくユーザーの中で「買いたい」という気持ちに育ち

そのタイミングでリスティング広告によって獲得できた──
という流れかもしれません。

だからこそ、「認知を広げる」ことが本当に大切なのです。

短期的な数字にだけ目を向けると見えなくなってしまう、
じわじわ効いてくる土台づくりが、
長期的には大きな成果に繋がっているのです。

最後に

広告のそれぞれの使い方を書きますので
是非参考にしてください

認知を広げる広告(まず知ってもらう)

広告名主な目的特徴・効果
テレビCM幅広い層への認知拡大信頼性が高く、企業イメージを強く印象づけやすい。全国規模での影響力がある。
YouTube広告(インストリーム広告など)動画で印象を与える商品の世界観や使い方を視覚的に伝えられる。若年層へのアプローチに効果的。
ディスプレイ広告(Googleディスプレイネットワークなど)バナーで視認してもらう興味関心が高そうな人に画像や動画を通じて「なんとなく見たことある状態」をつくる。
OOH広告(看板・交通広告など)無意識下での認知通勤・通学などの生活導線で繰り返し目にすることで記憶に残りやすい。

興味・信頼を育てる広告(検討段階へ導く)

広告名主な目的特徴・効果
SNS広告(Instagram、X、Facebookなど)興味・共感を引き出すストーリー性や世界観がある商品に強い。コメント・いいねで他者評価も見える。
ネイティブ広告(記事型広告)信頼・理解を深める広告らしくなく情報提供的。読み物として自然に入ってくるので理解が深まる。
インフルエンサー広告共感・リアルさを演出人ベースの発信なので、親近感・信頼感が高まりやすい。認知+興味喚起の間をつなぐ役割。

購入・アクションを促す広告(最後の一押し)

広告名主な目的特徴・効果
リスティング広告(検索広告)今すぐ買いたい人を取りに行く顕在ニーズに強い。「買いたい」人に直接アプローチできるのでCV(成約)率が高い。
リマーケティング広告(追跡型)再検討を促す一度訪問した人に対して再表示することで、購入・問い合わせの後押しができる。
ショッピング広告(Googleショッピングなど)商品比較・価格訴求に強い商品画像・価格が一覧で出るためECに強く、クリックから購入までの流れが短い。

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